ネガティブな気持ちに名前をつける②夫編
この本を読んでから考えたことです。
①はわたし編、②が夫編。③が息子編です。まずは①から読んでもらえたらうれしいです。
ちゃんと泣ける子に育てよう 親には子どもの感情を育てる義務がある
- 作者: 大河原美以
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/01/17
- メディア: 単行本
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前にも書いたとおり、わたしはそのネガティブな感情の処理の仕方がへただ。
そして夫も、そんなにうまくないんだと思う。夫はなにか意に沿わないことがあると、ことばでわたしに伝えることなく不機嫌になる。なにか嫌だったの?ときいても「怒っていないよ」と不機嫌な顔でいう。そして、わたしも放っておけばいいのに、なにかあるなら言ってよなんて言ったもんなら夫はフリーズする。そして沈黙する。
だいたいこれがわたしたちの喧嘩のパターンのひとつ。
これは、たぶん夫になにか意に沿わないことが起こったときに、夫は自分の感情と向き合えていないのだと思う。そもそもどんな感情がわいてきて、それはどういう経緯があったからだと、わかっていないんだと思う。もしくはそんなことで怒る必要はないからと、自分のネガティブな感情を否定しているのだと思う。でも嫌な気持ちになっているから表情はゆがむ。それを指摘されると、混乱してなにもことばが出てこなくなり黙り込んでしまう。これが夫と幾度となく繰り返してきたケンカとその後の仲直りの過程で分かってきた流れ。
先日、上記の本を読んでから夫と同じような流れで口喧嘩になった。「なにか怒ってる?ずっと不機嫌でそばにいられると怖いよ」と伝えると、また夫が混乱して「怒っていないよ!ううう…不機嫌になってごめん!でも!でも!ちがう!・・・・ううう」と声を荒げながらことばが出てこなくなったので、わたしがペンとメモ帳を渡して、「わかったから。ちがうんだよね。とにかく自分の思いをなんでもいいから書いてみて。書きなぐってみてよ。ゆっくりでいいからひとりで自分の気持ちを浮かんできた気持ちを書いてみて」と伝えたところ、すこし時間が立ってから冷静にこんなことを伝えてくれた「謝りたくなかった!だって俺は不機嫌じゃなかった。○○(わたし)に対して不満はないもん。ただ眠かったんだと思う。だから表情がぼーっとしてて、動作も荒くてことばもぶっきらぼうになってしまって、それが不機嫌に見えたんだと思う。でも不機嫌でいられると怖いといわれると、怖いおもいをさせたから謝らなきゃいけないでしょ。だから謝ろうとするんだけど謝りたくないの!だって俺は悪くないもの。子どもの寝かしつけしてたら眠くなっただけなんだから。俺だってがんばったから。だからさらに怒れてしまったの」と説明してくれた。とても嬉しかった。
不機嫌の理由を説明してもらえたら、わたしもさほど気にせずいられるし、わたしが理由で怒っていないのならその場を離れてもいい。(本当は夫がことばで不満をいってくるまではわたしも怒ってるのかな?と思う必要はない。でもそれは幼少期の親の接し方で誰かが不機嫌だと自分を責めてしまうやっかいな癖がある)
「謝りたくないなら謝らなくていいよ。眠かったら言動が荒くなるのもしょうがないよ。寝かしつけがんばってくれてありがとうね。でもね、となりにいる人はその理由がわからないから怖いんだよ。言動がぶっきらぼうになってしまった自分を見つめてほしいし、ぶっきらぼうになってしまっている自分は眠たいからと自分で認識して説明できるようになるといいよね。そのうえで、もしわたしが怖い思いをさせてしまって悪かったなと思ったら謝ったらいいよ。たぶん感情の整理には順番があるんだと思う。」と伝えた。
おそらく、「ごめんね」という気持ちは、「俺だって頑張ったよ。眠かったんだよ」の前にはこないんだと思う。自分の感情の受容には流れがある。複数の感情が同時に湧き上がって、しかもこうあるべき、こうありたい、が混在してくると、人間は混乱してしまってフリーズorパニックになってしまうんだろうな。
夫はわたしに「落ち込む必要はないよ「悲しむ必要ない」とやさしく声をかけてくれる。
でもたぶんそれは、夫が自分自身によくかけてることばなんだろうな。そうやって夫は今までの悲しさに耐えて来たんだと思う。夫のネガティブな感情に対する付き合い方をよく表している。
でも、わたしは夫がなにか仕事関係でモヤモヤを抱えていて、「それは悲しかったよね。いやだったよね」というと、ときどき涙ぐむときがある。みんながみんな、「~する必要がなくても~~してしまう」事があってもいいんだと思う。そう思ってしまうあなたを受け止めてあげたい。そう思ってしまう自分を受け入れてあげたい。そしてよしよししてあげたい。2歳のこどもにはしてあげられるけど、40歳の大人にそうしてくれる人はなかなかいない。
でもわたしはあなたの妻だ。生涯一緒に過ごすパートナーだ。40になろうとも80になろうとも、ひとりでうまく消化しきれないネガティブな感情の処理、一緒に付き合うよ。つらかったねって抱きしめてあげたい。認めて、それを包んであたためてあげたい。それがパートナーとしての役割なのかもなっておもう。
混乱した感情を因数分解したら、どの感情もとてもシンプルだ。ひとりでその作業ができないのなら、よければその作業を一緒に手伝うよ。
わたしも夫も、不完全でいびつな人間だなって思う。特にわたしは自立していない依存性のある人間だ。大人になりきれていない。そんな2人でも、日々に前向きさを持って生きていきたい。なんだかうまくいかないこともたくさんあるけど、まあなんとかなるよなって思いたい。自立しあって生きていけないけど、助け合いながら生きていきたいんです。
次は息子について考えてみた。