• follow us in feedly
  • ウチとソトの線引き

    わたしが気管支炎をこじらせ肺炎になり、文字通り倒れてしまったときの話。

    そこへやっぱり気管支炎をこじらせた2歳息子の面倒や通院、保育園送迎、わたしの病院の付き添いなどで夫も手一杯、生活が立ち回らなくなってしまった。核家族は本当にもろい。そこで夫の両親にヘルプを頼むとすぐにかけつけてくれた。

    義父母に家事全般をしていただいたおかげで自宅作業をしていた夫もやっと出勤できるようになり、息子もよく義父母になついたのでわたしは養生に専念でき、とても助かった。本当に涙がでるほど安心した。これでうちの家族はやっと回復にむかえるぞと心底ほっとした。

    ただ、義母がわたしのやることひとつひとつに口を出してくることがつらかった。とてもいやだった。息子の熱をはかりすぎ、神経質すぎ、もっと息子に薄着させろ、クーラーつけるな、寝かせようとするな勝手に眠くなったら寝るから(うちの息子は自分から寝ようとしない)、ちゃんと日頃から夫に朝ごはんをつくってやってるのかなど。

    わたしは干渉されすぎると強いストレスを持つ。うまく聞き流せなくなって自分の行動に自信が持てなくなってくる。だから、とても感謝しているのだけど、それとはまた別の軸で耐えられない苦しさも感じていた。

    わたしがいくら義母に「うちはいつもこんなふうにやっているので」とか「小児科の先生はこういっていたので」と説明しても素直にききいれてもらえないどころか角が立つような感じで、問題は解決しない。

    こういう、「他人の家庭にどこまで口を出すか」「口を出されることにどう対処するか」問題ってよくあると思う。

    どうしたらいいのだろうと悩みに悩んだ。夫に相談したんだけど、「俺が義母から守るよ!」とか見当違いのことをいわれて、なんかちがうんだよなあと思う。わたしは義母を敵認定しているわけじゃない。

    で、わたしが夫にお願いしたことが「わたしのためにもをまずは義父母を気遣って」だった。

     夫は義母の前では「息子」になる。息子に「もどる」というべきか。本人にはその自覚はまったくないのだけど、わたしは前からそれが苦手だった。

    夫は自分の両親に対して感謝の念をあまり伝えないし、あまり話そうともしない。質問されても携帯いじったりしてる。そういう態度は、相手に甘えてるんだとわたしは思う。甘えていることに無自覚。相手に「もう、しょうがないなあ〜」と思わせるということは、失礼を許してもらってるんだと思う。

    今回もせっかく急に義父母が遠いところから文句一つ言わずにせっせとヘルプしてくれているのに、夫の関心はわたしと息子。仕事から帰宅後、義父母への感謝のことばはゼロですぐに息子とあそびはじめ、わたしに「体調大丈夫だった〜?」ときいてくる。確かに優しいしありがたいのだけど、今のわたしにはそれが重く感じた。幼い行動に感じた。

     だから義父母が夫のことを「まだまだ頼りないわたしの息子」と思ってしまって、自分の息子やその妻に対して干渉してしまう心理があるのかもしれない。わかんないけど。

    わたしは夫に、自分の母親に対して線引きをしてほしいと伝えた。。誰が「ウチ」で誰が「ソト」なのか。義母に甘えているうちは夫にとっても義父母にとっても「ウチ」が「義父母、夫」なんだよ。夫の「ウチ」は「俺と妻と息子」、ソトが「義父母」であることを夫がちゃんと態度で示すことが大事なんじゃないか。ここからは入ってこないで、あなたたちとわたしたちはちがう家族だから、と。

    それをあらわす一番わかりやすい態度は、ちゃんと夫が義父母を「気遣う」ことなんだと思う。息子にもどらずに、対等な大人として接すること。それは感謝をことばで伝えたり、自分の考えをちゃんと説明したりすること。「今日も妻と息子の世話をしてくれてありがとう」「夕飯おいしいね」「買い出しのお金を払ってくれたんだね」「◯◯日までいてもらえるとありがたいな、予定はどう?」など。そういう気遣い。

    そういった態度が、義父母から「息子(夫)はもうしっかりしてるな。もう子どもじゃないな。自分で考えて行動できるんだな」という信頼を得られるのだろうし、「息子はもうあの頃の子どもじゃない、今は支えるべき妻と子がいるんだな」という子離れの一端の考えにいたるかもしれない。そしてそれが結果的に夫がわたしを義父母から守ることになるんだと思う。

     

    夫にこれを実践してもらったら、わたしに対して急に義父母が口を出さなくなった。本当に。むしろ夫に口を出すようにシフトしたのかも。義母も夫に言っても仕方のない部分をわたしに言っていたのかもしれないな。

    妻を守るためにはまず夫が自分の母との線引きをきっちりするところが大事だったのかもしれない。そしてそれは義母にとってはすこし寂しいことなのかもな。わたしも息子2歳がわがままを言わなくなって自分の奥さんをだいじにしながらわたしに感謝をいうようになったらすこし寂しさを感じてしまうかもなと思った。