「いい仕事」とはなんなんやろか
アルバイトのことです。
銭湯のアルバイトは、今のわたしにとても合ってると思う。楽しみながら働けるということは、とてもいいこと。
スタッフさんもいい人が多い。もちろん癖のある方は何人かいて、嫌味をいわれたりいちいち難癖をつけてきて、いやな気分になることもある。
でもそれに対して「あの人たちの言うことを気にしちゃいけないよ!」と言ってくださるスタッフの方々がいる限り、わたしはやっていける気がする。
業務内容は、主にフロントで入浴チケットの受け取りやタオルの整理、飲み物食べ物の販売などの細々としたことと、男女の風呂場および脱衣所の清掃業務。
もちろん男性の風呂場にも、ずかずか入ってく。だいぶ男性の裸にも慣れた。
男性の中には、これ見よがしに自分の股を突き出してわたしに見せてくるお客様もいるけど、スルーしてる。なんか立派とかそうじゃないものとか分かんなくて、全員同じものにしか見えない。
スタッフの中で、20代の女性はわたし1人だ。だからか、男湯に入るとギョッとされる方もいる。特に10代後半から30代前半の男性かな〜。気を遣わせて申し訳ないなと思う。
男性で年配の方は、わたしに優しく声かけをしてくださる方が多い。「がんばってね〜」とか「いつもありがとね〜」など。
クレーマーのお客様も、どれだけ憤慨してても、わたしが若いからか駆けつけて一緒に謝ったら、少し穏やかになる。「ふ、ふん!次からは気をつけろよ!」とか。
こういうときは、若いだけで得だなと思う。今のところ、だけど。
ところが。女性客はそうもいかない。「今時の若いのは気がきかないね!」と、厳しい叱責をいただくことがちらほら。
特に多いのは「あんた若いんだから、こんな仕事してていいの!?もっといい仕事につかなきゃ!」と言われること。これは正直、キツイ。
確かに、若い女性が裸体だらけの場所で、みんなの髪の毛や陰毛、汗や痰やツバなどを清掃する仕事に就くことは、年配の方からすると変に思われるのかもしれない。「いい仕事」ではないと思われるのかもしれない。
みなさんはわたしのためにアドバイス調でおっしゃってくれるので、悪気はないのかもしれないけど(嫌味っぽい人もいるけど)、本当はヘルスケア業界のオフィスワークをしたかったわたしとしては、突き刺さってしまうのだな。
でも「今はこの仕事がたのしいと思えてるんだから、これでいいんだ」と自分に言い聞かせてます。
正社員なら「いい仕事」なのかな。オフィスワークの方が「いい仕事」に見えるのかな。自分も知らず知らずの内に、この仕事を見下してたのかな。今のわたしに合ってる仕事こそが「いい仕事」でいいんちゃうかな。
あと、仕事をしていく内に、男性客と女性客の違いが見えてきておもしろい。男性客は意外とみんな股をタオルで隠して歩いているけど、女性客はあけっぴろげな方が比較的多いこと(わたしが女だから?)。
男性風呂のトイレの臭いがひどいこと。たぶん男性の方がお通じがいいからだと思ってる。
女性客の方がシャンプー類でシャワーの場所取りをしがちなこと。これ、地味に困ってる。
今のところ、日々おもしろい発見があるので、飽きずに仕事してます。
最近は仕事後に、150mlの小さな缶ビールを飲むようになった。熱い湯けむりの中で作業することの多い銭湯のバイトからあがったあとの、ビールの格別なうまさを知れただけでも、得したなと思う。